眠りの伝導 column

盛夏!寝苦しい夜の正しい対策。UPDATE. 2017.7.22

いとしやは『冷』ではなく、

『涼』をおすすめ!

日中の気温が、30度を超える夏の暑さがやって来ると、夜も気温が下がらず蒸し暑くなり、エアコンに頼らないと寝苦しいいわゆる熱帯夜が続きます。

 

しかし、夜の寝苦しさは寝室の温度や湿度だけに原因があるのではありません。

 

暑がっているのは、背中です。

エアコンによってどれだけ部屋を快適にしても、寝苦しいと感じるのは、背中と敷寝具の間の異常な温度・湿度の上昇なのです。

 

その情報が、皮膚から感覚神経を通って脳に伝わり、脳は『不快』、さらに進むと『危険』と判断し、おちおち休んでいられなくなり、恒常性を維持するために、運動神経を通して、筋肉に指令を出し、何度も寝返りを打てせる。

 

これが寝苦しいという状態です。

 

人間は、『不感蒸泄』という機能によって体温をほぼ一定に保っています。

ところが、気温が高くなり、特に湿度が高くなると、この皮膚からの不感蒸泄という機能による、汗(水分)の気化がうまくできなくなります。

 

ご存知の通り、液体が気体になる(気化する)時、気化熱が奪われます。

この皮膚の気化熱の調整を自律神経がしてくれているのですが、実はこの生理システムと眠りの質が深く関わっているのです。

 

眠りの深さと体温調整の密接な関係

最近の睡眠研究で、深部体温(脳を含めた内臓等の温度)が約0.5℃下がると、眠りが深くなることがわかってきました。これによって眠りが深くなると成長ホルモンの分泌が活発になり、たんぱく質の合成が促され身体の修復・再生が行われます。

ということは、眠るという回復・再生機能を十分発揮させるには、深部体温を下げる必要があります。

 

人間は、深部体温を下げるために、眠る前から手足の毛細血管を拡張し血行によって体温を放熱し、また汗を気化します。

 

ところが、温度と特に湿度が高くなる日本の夏は、この機能がスムーズに働きません。

これが、『寝苦しい』という感覚です。

毎晩深部体温が下がりにくい、眠りが深くならない、成長ホルモンが分泌されない、身体の修復・再生ができない、これが続くと8月後半から9月初旬に『夏バテ』となってしまいます。

 

そうならないために、夏には、寝具も夏の設えを・・・。

エアコン(エアーコンディショナー)は、文字通り部屋の空気を調整します。立っている場合は、それで快適さが保たれるでしょう。

 

しかし、私たちが寝ている間、体の約半分(背中)は寝具(特に敷寝具)に密着しています。だからそれは、体温調節(放熱・放湿)を妨げないものでなければなりません。その機能は、通気性吸湿発散性熱伝導率が高いものとなります。

 

巷には、いろいろな人工素材の夏の寝具が出回っていますが、いとしやの基準はあくまでも『冷』ではなく、『涼』

 

昔から体を冷やすことは「万病の元」と言われますが、いくら暑い夏でも自然とあまりにかけ離れた不自然な身体の冷やし方は、本来備わっている生理(体温調節)機能を失うのではないかと心配しております。(特に小さなお子様が心配です)

 

いとしやおすすめの素材は?

いとしやがおすすめするのは天然素材の『麻』

 

麻は、日本古来から、暑さを凌ぐ素材として、衣服や住環境、もちろん寝具にも使われてきました。吸湿発散性、通気性、熱伝導率に優れ、水にも強く、抗菌性もあり、日本の風土にはとても適した素材です。

 

夏には、夏らしい設えを、敷パットやシーツを麻の素材のものに変えて、日本人として風情とともに感じてみててはいかがでしょう。

 

注!

例えば商品名に『麻パット』とついていても、表の側地だけ麻で、中綿はポリエステル100%のものや、麻綿が入っていても『涼』を得るには不十分な量しか入っていない物も市場にはたくさん出回っていますので、品質の表示をしっかりご確認下さい。

 

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この記事を書いた人

大杉 天伸

大杉 天伸

睡眠環境診断士 睡眠環境コーディネーター 睡眠健康指導士

昭和40年11月1日大分県佐伯市に生まれ。高校を卒業後上京。大学を卒業後、大手家具専門店(大塚家具)に入社。ここでインテリアの基礎知識と経験を4年半積む。1992年寝具店の家業を継ぐため帰郷。2年後あるメーカーさんを通じ不思議な魅力を持つエヴァンジリストという肩書きの小阪裕司先生と出逢う。この運命の出逢いが、いとしやのビジネスモデルの原点。1996年『布団屋』から『眠り屋』へというコンセプトで大分店オープン。

  • 日本睡眠環境学会『睡眠環境コーディネーター』
  • 日本睡眠環境研究機構より『睡眠環境診断士』
  • 日本睡眠教育機構より『睡眠健康指導士』
  • ドイツで行われる寝具と家具(ベッドマットレス)の国際見本市を毎年視察継続中。
  • 大分放送(OBS)ラジオ『快適睡眠のすすめ』パーソナリティーとして毎月出演中。
  • これまでに、メディア(TV・新聞・情報誌など)取材、産業界・官公庁・学校・自治会などでの講演の実績も多数。

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