愛着の芽生え方UPDATE. 2009.1.07
場の空気というものは、そこにある『物』が作るのではなく、そこに暮らす人の『想い』が創るものだと思う。
その空間が心地良く感じる為には、そこに愛着を持てる何かの存在が必要だ。
その愛着だが、誰にでも一つや二つは持っている物があるだろう。
それははたしていつから、何故、芽生えたのか?
私が東京の家具屋で働いていたころ、当時としてはまだ少なかった女性のインテリアコーディネーターの方から聞いた話だ。
愛着ということの芽生えは、それに手をかける。
お手入れや面倒をみる、手間を掛けるところから生まれてくると。
確かに買っただけで何も手間を掛けないものはすぐに飽きて、また違うものへと意識が行ってしまうが、ひと手間ふた手間掛けているとそれまでとは違う想いみたいなものが自分の内側に芽生えてくる感覚がある。
これからは是非そうしたものと出逢っていきたい。
私はこの店を出して12年になりますが、わかったことは、そこにいる人(スタッフ)の想いが、その場の目に見えない空気を創り、それをお客様は感じているということ。
しかもそのお客様の感度が年々よくなっている。
もうお客様は『物』を選ぶ時代は終わった。
その場所が心地いいか、いないか。
そこには見ている方向、『共感』が必要とされる時代が来た。
こうしてまた店の空気が心地良く感じてもらえるだろう。
彼女達のメンテナンスというお手入れを通して芽生える、このテーブルへの想い(愛着)が、ここの空気を変えてゆく。
お客様がいらっしゃらない時には、陰でこんなことを楽しくやってます。
「わあっ、楽しそう」と思う方、あなたはいとしやの共感者です。
眠り屋 店主