なんとかしてあげたい。UPDATE. 2017.9.24
先日、「マットレスを探している」という一本の電話がありました。
その方は、85歳になるおばあちゃんでした。
お店に行きたいけれど、車が運転できないので行けないということ。
できれば、いくつか持って来て、見せてもらいたいとのこと。
お持ちする商品を選定するに、もう少し状況を伺うと、「今、セミダブルの畳ベッドに、羽毛の布団を2枚敷いて寝ている。サイズが合ってないのでずり落ちる。」ということ。
? ? ? ちょっとイメージができない、イレギュラーな寝方だな・・・。
やっぱり訪ねて見るのが早いし、確実と思い、伺わせて頂きました。
お家に伺うと、「こちらえどうぞ。」杖をついたおばあちゃんが出迎えてくれました。
玄関に入るや、「断捨離せんとね。」という独り言のような一言。
確かに玄関から2階の寝室に向かう階段まで、結構な量の物が置いてありました。
そして2階の寝室に入ると、ベッドの上に布団が敷かれてありましたが、その布団の足元を帯でベッドフレームに縛り付けていました。
さらに、パッドシーツをめくると、今度は腰のあたりに工事現場で使うような黄色と黒のロープで縛っていました。
確かに布団は、一番上には羊毛固綿敷き布団、その下に羽根敷き布団(よくある通販タイプ)、さらにその下に、シングルサイズの健康敷きマットが敷かれていました。
もうなんか、全然おかしい。 😕
「これお客様が、ご自分でされたんですか?」と訊くと、ヘルパーさんがしてくれたとのこと。
このおばあちゃんの背骨は、湾曲し、仰向けには寝れそうにありませんでした。
「仰向けで寝れます?」と訊くと、「無呼吸になるから横向きで寝る」ということ。
これでは、寝るのがきついでしょう。
ますますなんとかしてあげねば・・・。
お部屋の中は、いろいろな物が置かれているというよりは、放置されているという状態。
でも、この体では、重たい物(ダブルの布団など)は、持てないでしょう。
あ〜、もっと早くお電話頂ければな〜。
本当に、断捨離してあげたくなりました。
とりあえず、足を患っておられるので、ベッドからの寝起きが楽なように、高さのあるマットレスを、貸し出ししました。
「これで、数日様子をみてください。」と言って、お試しして頂くことになりました。
ご夫婦お二人の生活。
物の整理整頓も、一旦体を壊すとなかなかできないままになってしまう。
これが、超高齢化社会ということなのでしょうか?
これからの日本が本当に心配になってきました。
だからと言って、すぐに法律や制度を変えることなどできません。
今、自分を頼ってきた目の前の人に、眠り屋として全力で応えてあげることのみです。
少しでも日々の眠りの質が改善できるように・・・・。
眠り屋 店主