やはり、老舗の神髄を感じ入る。UPDATE. 2008.4.02
昨日、別府にある創業昭和29年という老舗割烹旅館『もみや』に仕事の関係で伺った。
そこのスタッフのKさんがうちで買って帰った『北欧紅茶』を女将にプレゼントしたところ、いたく気に入って頂けて、旅館でも扱いたいとの要請を受けパンフレットを持参した。
午前11時約束で、10分前に到着。
駐車場に入れようとすると、区画の所はいっぱいでどうしようと思っていると、何やらボイラーの作業をしている方が近寄ってきた。
「もみやに御用ですか?」
「はい。」
「じゃあ、ここ開けますのでこちらへどうぞ。」
工事関係者らしからぬ丁寧な対応。
裏側の駐車場だったので、正面玄関はどこかな?
っと思った瞬間、先程の工事の方が巻いたワイヤーを肩に担いだまま、すかさずまた、
「正面玄関わかります?」
「あっ、いえ。どちらですかね?」
「そこを出て、右に回って、次の角をもう一回右に・・・・」
と言いながら、身体はすでにズンズン動きながら、私を確実に案内してくれた。
私の今までの経験上、新築の現場などに行くと工事関係のはどちらかと言うと愛想がなく、口だけで相手が分かったかも確認せずにただ言うだけというパターンがほとんどだった。
なんかその対応が『おどろ気持ちよかった』。(造語)
玄関に着くとさすが老舗の風格みたいなものを感じ、しばらくロビーで待っていると、大女将がいらしゃった。
あれ、かなりスリムな女性。
しかも着物じゃない。
(おいおい『どんど 晴れ』の影響受け過ぎ! )
自己紹介の後、思い出したように先程の私に道を案内してくれた工事の方は、社員の方か訊いてみると。
御世話になってるボイラー屋さんということ。
やはりこんなところで差が出るんだろう。
そこのトップが自分の仕事を舞台としたまわりに対する向き合い方。
『感謝』、『謙虚』、『お陰様』・・・。
ここには確かに目に見えない大切なものがある。
お金を払えば客、部屋で自由に何をしてもいいとわがまま勝手をさせない奥深くやさしい心遣いを感じる。
本当に寛げる空間は、緊張感を程よく足すところに『粋』が存在する。
その『さじ加減の妙』が老舗旅館の飽きさせない味わいの深さなんだろう。
ごちそうさまでした。(拝)
眠り屋 店主