『メゾン・エ・オブジェ』の会場には、各国の絨毯の展示ブースがあるのですが、その中でいとしやでもご紹介しているアート・ギャッベの輸入元である、イランの『ゾランヴァリ社』が出店していました。

そこを訪ねると、日本の総代理店の社長様ご家族がいらっしゃり、ゾランヴァリのアート・ギャッベの魅力を、さらに深くお伝え頂きました。
いろいろお話を伺っている中、最近いとしやにも新しいタイプの絨毯が入荷して来たのですが、その絨毯のことを、総代理店の社長様に詳しく訊こう質問したところ、一言。

「あんなのは、アートとしての価値無し！美しいと思えない。』と一蹴。

はあ～（感心）、やっぱり違うなこの一言。
プロフェッショナルやな。
一言ですが、グッと私の思考の中心に入ってきます。
清々しい心地良さを感じます。

これだな！これ！
この瞬間なんだよな！
私が感じたかった空気は！

何の迷いも無く、自分なりの答を間髪入れずに、相手に返す。
この間（ま）、声のトーンとその力強さ、無駄の無い言語、そして見つめる視線。
この絨毯という異文化を、日本に日本人として普及して来た経験（苦労）と自信。
ぶれない『芯』があるなぁ～。
私も畑は違えど、こういう『人』になりたいと強く思いました。

私の座右の銘、『我逢人』（がほうじん）
その意味は、「人と逢うことから全てが始まる。」（禅語）
人はその一生で、多くの人からいろんな影響を受けるし、また与える。
それが人生。

今回の旅も、多くの人との出逢いを通じて、非日常の刺激を頂いております。
本当に、感謝です。
そろそろ初めての『メゾン・エ・オブジェ』も、その目的を達し、会場をあとにする時間になりました。
今夜は、この旅の最後の夜になります。
その前に、少しパリの街を歩いてみます。

眠り屋　店主

text=アフター９のリラックス いとしや